toggle

上室製茶の鹿児島茶は自然豊かな志布志有明で茶師が吟味した茶葉だけを使って新鮮な香りと豊かな味わいのお茶を作っています

代表取締役社長 上室 和久

自己紹介をお願いします

有限会社上室製茶、代表取締役の上室和久です。

短期、中期の会社の将来像について

私どもの会社は、一般的なお茶農家さんが大きくなった企業体ではなく、今、非常に特殊なことをやっております。 京都であったりとか愛知の方で抹茶というのが昔から作られていますけど、私どもの会社では鹿児島県内では珍しい抹茶の生産を行っています。そしてまたその抹茶を、海外に向けていけるようなオーガニック抹茶、有機の抹茶を生産しております。

これからの展望としましては、短期ではしっかりとした有機抹茶をこの世に送り出す技術を確立して今後はそれを自社で販売すること。 そしてまたウチでは、専門店さんが取り扱うようなお茶を、独自で機械をもちまして仕上げ加工をして、焙煎をしてパッケージ販売しておりますので、そちらも有名な百貨店においておけるような販売戦略も考えております。

社員に対して求める基本的価値は?

農業の醍醐味と私のほうが考えているのは、気候や天候に左右されるという不安定な部分です。そこを、なるべく人間の五感、目で見る力、耳で聞く力、鼻で嗅ぐ力などを研ぎすませて、今お茶の木が何を求めているかっていうこと感じ取る。非常に繊細な気持ちが必要となってきます。また気象条件が変わってきますと、それに対する管理作業というのが変わってきます。

リアルタイムでお茶の木の状態を把握しながら、お客様に安定した品質のものをお届けするためには、何が出来るかという今できる最大限のことをその日その日、計画しながらやっていかないといけません。

ですから、私がいつも社員さんに話しをすることは、「常に観察をしてよく考える」こと。よく考えることによって後の対策が生まれてくる、それを日々繰り返すことによってお客様に対して、より良い商品を届けることができるんじゃないかなと思ってます。よく観察してよく考える、そういう考え方を持っている社員さんが私どもの会社にとって必要としています。

現場で社員さんに率先してやって欲しいことは?

私どもは物作りの会社です。非常に高品質なものを、お客様にお届けするために、一番現場で気をつけていただきたいことが、綺麗は高品質を生むということを私は思っています。

ですからいくらお茶畑のですね、ものがいいものができたとしてもですね、そのお茶畑が汚れていたりですとか加工施設が汚れているとか。また車輌など、色んな機械を使って栽培、または仕事を行っていくのですが、そういうものがきっちりと整理されていないとやはり高品質な物作りにはつながっていかないんじゃないかなと私は思っております。

整理整頓そしてまた綺麗を、そしてまた気持ちよく仕事ができる環境づくりを社員さんにはしてもらいたいなと思っています。

現場で働く皆さんにもってほしい目標は?

私どもの会社、国内でも非常に珍しいことをやっております。そしてまた難しいことをやっております。そしてまた物作りにマニュアルはありますけど、これが、去年やったことが今年通じるかといったら違います。

ですので、日々観察をしながら、そしてまたお茶の木が日々成長していくように社員さん自身も、栽培、加工、そして販売というものに対して貪欲に勉強していただいて、そしてまた人格ももっともっと引き上げていただいて、人が成長することによって物が成長するということを思っています。日々成長を心がけていっていただきたいなと思っています。

現場の方に勉強してほしいことは?

お茶には日本に古来からある文化というものがあります。そしてまた、体の健康、そういったものにも非常にこう大きな役割をもっているのがお茶じゃないかなと思っています。

ですから私どもが作ったお茶を飲んでいただくお客様の和みの空間、そういったものにうまく使っていただいて、そしてまた、お茶をしっかり飲んでいただくことによって、健康にもつなげてもらいたい。そういうこともイメージして社員さんは日々の仕事を進めていってもらいたいなと思っています。

社員へ思うことは?

私が日頃感じていることですが、この人生というのは何年ていう区切りはわかりません。明日ある命かもわかりません。ですけど何かこう世の中に役に立つために生まれてきたと思っています。ですから自分のしている仕事、そしてまた地域との関わり、自分が何のために今ここで生きているのかというのをですね、常日頃考えてもらって、今できる最大限のことをやってもらいたいなというふうに思っています。

それを仕事を通してもいいですし、地域の活動を通してもいいと思います。そしてまた色んな友だちの中で、そういうことを活かしてもらってもいいと思います。

人生何のために生きているかっていうのをですね、何のためにここで生かされているかっていうのをですね、常日頃考えてもらいたいなというふうに思っています。

上室の社風は?

ウチの社員さんはですね、色んな経歴の持ち主がいらっしゃいます。サービス業にいらっしゃった方、機械の整備関係にいらっしゃった方、そしてまた土木のお仕事をされてた方、そういった全く知識がなかった方が、ウチの会社に集まってきていただいて縁あってウチでお仕事していただいています。

その中で同じ気持ちを持って物作りをする中で、最初こう社内でも勉強会というのは定期的に行っていきますが、その中ではなかなか伝えきれないこともあります。ですが社員さんが最近、自分でミーティングを朝7時40分から行うんですけど、その前にですね、自分で早起きをしてお茶畑を見て「社長あの畑はこうなってる、もっとこうした方がいい」と、そういう提案をしていただけますし工場においても、もっとこういうふうなやり方をすれば、効率よく仕事がいく、もっと高品質につながる。

そしてまたお客様に対して安心・安全が届けられるってことでですね、非常にこう私自身が勉強させられる提案を社員さん自らしてくれております。それを聞くと、気持ちがこうジーンと熱くなってですね、私自身も経営に対してしっかり頑張っていかないといけないなと思います。

趣味を教えてください?

何かこう遊びをするとかそういう趣味っていうのがですね、本当に思い当たらない感じです。本当に生まれたときからお茶畑に囲まれて、お茶を作ることが趣味、美味しく飲んでもらうのが趣味なんです。

最近は全国の素晴らしい経営者の所に行って色んなお話しを聞かせていただいたり、それをすることによって自己成長するための色んなお話しを聞くということが趣味になっています(笑)

家族構成を教えてください?

私の父、母がいまして、私、妻、男の子3人ですね、非常にワンパクな子供たちが3人います。

お休みの日は?

3人の子供ソフトボール少年団に入っておりますので、休みの日はソフトボールの練習に付き合ったりとか、試合に行って応援したり、審判をしたりですね、そいうことで子供とふれあうことで休日を満喫しています。

好きな食べ物は?

私の好きな食べ物は餃子です。健康に日頃から気をつけていますので、野菜がたっぷり入ったジューシーな餃子を食べて頑張っております。

好きな飲物は?

本当にこう美味しいといえるお茶、そしてまた鹿児島の文化である焼酎、大好きです!

好きなテレビ番組

以前ありましたNHKの大河ドラマの「龍馬伝」が私は非常に好きです。時代の大きく変わる中でですね、自ら時代を変えていくという切り込んでいくという勇気、それを見ながら、そしてまた周りを思いやる優しい気持ち、そういったものを学びました。

座右の書

私の本棚にはですね稲盛和夫さんの書物がたくさんあります。そこで人生とか、そういったものをですね、色々と勉強させていただいております。

特にお勧めの1冊は

「生き方」(稲盛和夫 著)です。

社長の学生時代は?

小学校の低学年までは非常に「おしゃべりの上室君」と呼ばれておりました。それがですね、中学年から中学生まで、非常に大人しい生徒に変わってしまいました。ウチの両親から、「あんたは積極性なかね」みたいなことを言われてました。

高校に入りまして、高校は3年間、寮生活をしまして部活で弓道をやっておりました。小学生の時にはサッカー、中学生の時には野球、非常にこう球技においては中々素質が無かったんですけど、高校に入って弓道を始めてから非常にこう何かメキメキと力がつきまして九州大会に出場したり、そういう機会をいただいて、本当にこう高校時代は勉強をしているより自分の趣味に使った時間のほうが多かったというふうに覚えています。

それから高校卒業後は、鹿児島県の農業大学校の茶業学部に2年間進みまして、その後に本場静岡の一農家さんに二年間住み込みで研修をさせていただいて、21歳でこの上室製茶に入社して今日がある訳です。

お茶一筋に何年ですか?

私はお茶が好きで、家業を10歳の頃から目指しておりました。それに研修を積んで帰ってきたのが20歳の頃です。それから20年目ですね。5年間は経営に入ってきてますけど。以前15年間はお茶畑だけで走り回っていました。

新人時代に失敗したことは?

大失敗があります。3月の下旬に遅霜にお茶畑を合わせてしまいました。その原因は、私が本当に甘い考えでいたことが原因です。スイッチを、スプリンクラー、扇風機で霜を防ぐんですけど、そのスイッチを入れ忘れたことによって、お茶の芽を凍らしてしまってですね、1年間の栽培した一番茶が全くひとつもとれずに、その年は一枚の畑だけは収穫はゼロということで、父にも大目玉を食らいそうになりましたし、そしてまたお客様にですね大事なお茶の葉を、商品をお届け出来なかったことが非常に私にとって辛かったです。

新時代一番うれしかったエピソードは?

ウチの父もですね、当時は一緒に工場に入ってですね加工のお仕事をやっていました。しかし、父が加工をしていた際は品質が伴わないことがありました。ある日、父から呼び出しをくらいましてその仕事を私に代わりました。そこで私はありったけの知識を使って加工したところ、非常に品質が良くなりまして、その日のお客様からは「非常に良いものができたね」って言葉をいただいて非常に嬉しかったのを覚えております。

何が良かったのでしょう?

経験は無いんですけど持ってる知識というのをフル稼働させたのが良かったと思います。機械が茶の加工している状態を見ながらですね、調整を加えていくわけですが、ウチの父がしなかった調整というのを自分が一手間加えてですね、それで格段に品質が良くなりました。茶の世界っていうのは、そういう世界なんですね。だから気付きというのが非常に大事になってきますので、社員さんにもその気付きを持っていけるように私どもが色んなものを伝えていきたいなと思っています。

経営理念を教えてください?

自己の成長を物づくりに生かし、農業の新たな価値の創造と物心両面の幸福の追求、そして地域社会、お客様にとってなくてはならない存在であり続けられるよう常に考え想像し行動します。これが私どもの経営理念です。

業界の展望と今後についてお聞かせください?

非常に今、茶業界というのは右肩下がりの業界になっています。そういう中でも、海外では健康ブームというのもありまして抹茶の取引というのが盛んにされております。そういう中で抹茶を起爆剤として、このお茶の持っている素晴らしいところ、健康そしてまた癒やし、そういったことを訴求したいです。

今の一般的な消費者の皆さん、若い方は特に、美味しいものは飲みたいけれど簡単に飲みたいというところで、今ペットボトルのほうが非常に引き合いが強く、皆さん飲まれています。

お茶に触れる機会はあるんですけど、それを手間暇かけて飲もうというところが、なかなか今一般の生産家が思っている以上に伝わりにくいというのがあります。海外で急須にお茶をいれて飲むというのを向こうの若い方々がし始め、それが逆輸入で日本に入ってきて、国内でも若い方がカジュアルに急須にお茶をいれてのむとか、そういったふうに今後していきたいなということを、若い経営者達と話しをしながら模索しているところです。

最後にメッセージをお願いします。

私どもの会社は一般的なお茶屋さんですが、非常に特殊な事をやっております。ですから本当にこの近くの鹿児島県内、全国の同じような同業者がですね、私どもがやっていることっていうのを非常に注目して見ています。社員さんと力を合わせてこの今行っている事業をしっかりと継続していきながら、ちゃんとした高品質なものをお客様に届ける。そういったビジネスモデルというのをしっかり確立して、それを周りにも波及する役目を私は持っておりますので、それに共感してくれる人材を求めておりますのでよろしくお願いいたします。

どんな人を求めているかというと、やはりこう探究心を持って、諦めずに何事にも挑戦する人。挑戦することによって失敗すると思います。ですが、失敗というのは人生にとって非常にプラスになりますので、それにめげずにチャレンジしてくれるそういう人材を求めております。