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上室製茶の鹿児島茶は自然豊かな志布志有明で茶師が吟味した茶葉だけを使って新鮮な香りと豊かな味わいのお茶を作っています

お茶に関するアレコレ

鹿児島茶とは

鹿児島茶のこれまで

鹿児島茶のこれまで

鹿児島県の荒茶生産量は全国2位の規模を誇りますが、産地としての隆盛はごく最近のことです。後発産地であったためブランドとしての鹿児島茶は弱く、長い間、他の有名ブランド茶の「一つの成分」という低い位置付けでした。

しかし鹿児島の温暖な気候はそもそも茶の栽培に適しており、かつ多種多様な茶品種の栽培が可能。地道な改善でより良質な茶葉を栽培し続け、やっと近年、鹿児島茶の味・風味が一級として認知されるようになりました。

上室義澄 1本の苗木から

上室義澄 1本の苗木から

初代/上室義澄が、志布志市有明の地に茶の苗木を差したのは、戦後間もない昭和23年頃、もちろん鹿児島茶などまだ誰も知るところではない時代。有明の大地は黒ぼくと赤ほやから成る肥沃な土壌、気候は温暖であるだけではなく昼夜の寒暖差が大きく、そして豊かな湧水。あらゆる自然環境が、良質な鹿児島茶生産にうってつけでした。しかし義澄は、単なるお茶農家にとどまりませんでした。

鹿児島茶が世に広く認められる時代を夢見て、良質な荒茶をただ市場に出荷するだけではなく、自社で焙煎・ブレンドまで手掛けて、真に美味しい鹿児島茶を責任をもって送り出す、一貫生産に取り掛かりました。当時としては奇抜なこの取り組みと情熱は、二代/義和、三代/和久へと受け継がれ、全国でも非常に稀な、茶葉生産から焙煎・ブレンドまで一貫して生産する体制が整えられました。

茶師三代

茶師の不変-五感への浸透

茶師の不変-五感への浸透

初代/上室義澄が、有明の大地に鹿児島茶の苗木を差してから六十有余年。茶師として目指すものは非常にシンプルです。鹿児島茶の味・色・香り・ぬくもり、そして茶を注ぐ「こぽこぽ」というゆったりとしたやわらかな音色。召し上がる方の五感に鹿児島茶が浸透していき、その心にひとときの安らぎを生み出すこと。

上室の茶師三代にその思いは連綿と受け継がれ、変わることはありません。鹿児島茶の中で生まれ育った三代/和久にとっては、それはなんら不自然なことではなく当たり前のこと。自らの五感を研ぎ澄まして茶葉一枚一枚と対話する、自然に身に付いた茶師としての資質です。

守るために変えるもの

守るために変えるもの

ただ茶師の目指すものはシンプルでありつつも、単なる伝統墨守では成し得ません。その時その時の人々の感覚を常に問い続け、時代にあった鹿児島茶を送り出す必要があります。そんな柔軟性も、一貫生産される上室の鹿児島茶なら実現できます。

自社の茶畑で9種類の品種を育て、蒸し・揉みの諸工程を最適化し、自ら茶葉を選定しブレンドする。時代に応じて敢えて「変えること」で、茶師はその目的を追い続けます。

美味の理由

上質な茶葉は上質な土壌から

上質な茶葉は上質な土壌から

肥沃な有明の大地で育つ鹿児島茶。素性の良い土壌に手間ひまを加えていきますが、単に経験だけに頼ることはありません。

茶園管理状況の記帳を日々繰り返すのはもちろん、年に2回専門機関の土壌診断を受け、鹿児島茶の育生に必要な窒素・リン・カリウム・カルシウム・マグネシウムなどの栄養素のバランスを数値で管理しています。

守るために変えるもの

上質の理由-選び、分ける贅沢

鹿児島茶に限らず茶葉の品質は、残念ながらいつでも一定ではありません。よく知られているのは、茶摘みの時期で区別した、一番茶(新茶)・二番茶・三番茶・四番茶…という呼び名でしょうか。上室の茶師は、品質の特に優れた一番茶・二番茶のみを選び使用しています。

また焙煎(火入れ)の品質を高めるため、火の通り具合のばらつきにつながる茶葉の形状と大きさを10段階に細かく分別し、極めて厳密な焙煎管理を行っています。

水と安心

守るために変えるもの

農薬と水の関係

いまお茶の販売においては、お客様に伝えやすい「差別化」の流れがあります。例えば、無農薬や有機栽培とうたったお茶がその一例でしょう。上室の考える「差別化」はあくまで、鹿児島茶を楽しむお客様の五感にどのように浸透するか?という本質にあります。

そして上室の答えは豊富な湧水で実現する「減農薬」です。無農薬や有機も優れた栽培方法で分かりやすい差別化ですが、茶木に掛かるストレスを考慮した場合、そういった極端な生育方法ではなく、あくまでバランスの取れた茶木にやさしい生育方法が、美味しい鹿児島茶につながります。

上室では、豊富な湧水を活かした連続散水による防虫・防疫を推進しています。この連続散水により、通常年10回ほど行われる農薬散布をおおよそ半分以下に抑制しています。もちろん、有害なレベルの残留農薬はまったく無く、放射性物質も検出限界以下であることを確認しています。

おいしいお茶の入れ方

手順1

お湯は充分沸騰させてからポットに入れます。

手順2

お湯を湯のみに注いで、さまします。(約70~80℃が目安です

手順3

急須に茶葉(3人分を大匙で軽く2杯)を入れ、冷ましたお湯を注ぎ30秒~40秒待ちます

手順4

湯のみに、少しずつ均等に回し注ぎきります。